傾聴サービス まちの幸ブログ

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遠い記憶(カレーパンの真実)

私が通っていた幼稚園は、給食がありました。

メニューは「お総菜パン+牛乳」というシンプルなものでしたがスパゲティパン、焼きそばパン、コロッケパン等、何でもおいしかった記憶があります。パンは2週間に1回程度の割合で同じものが出てきたけれど、お総菜パンが大好きだったのでいつも楽しみにしていました。ただ1つのメニューを除いては。

私、カレーパンだけがどうしても苦手でした。

他のパンと違って油で揚げているカレーパンは、噛みしめるたびに口の中で油がジュワッとしみこんで・・・( うっ、油っぽいっ )私には耐えがたい苦しみでした。さらにカレーです。カレーのにおいがすごく苦手で飲みこ、飲みこめな・・・

という状態だったので、いつもなら誰よりも早く給食を平らげる私がカレーパンの日だけは半分食べるのがやっと。残りの半分は家に持って帰っていた・・・という話を何気なく姉に話していた時のこと。

「でも持ち帰ったパンはどうしていたのかな。その後の記憶が全くないねん。」
という所で話を終えるはずだった私にすかさず姉が言いました。
「パンの行方知ってるよ。私が食べてた。幸ちゃんが持ち帰ってくるカレーパンの残り、いつも楽しみにしてたから。」

えー

ひょんなことからナゾが解けてびっくりしました。と同時に数十年の時を経てたどり着いた真実に、笑いが止まりませんでした。同一のカレーパンに対する私にとってのツライ記憶が姉にとってはおいしい記憶だったなんて。視点が変わるとこんなに違うものなのですね。

あの日の夜、しみじみ思ったものです。(何でも話してみるものだなぁ)と。
スッキリしました。

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